舌の苔(コケ)の取り方について~良い取り方・悪い取り方

舌苔(ぜったい)の取り方~良いやり方と悪いやり方


正常な舌苔は、口腔内の細菌や免疫力をバランスよく保ち、口腔内を健康的に保ちます。
舌苔は取ればいいってもんじゃないのです。

やってはいけない舌苔の取り方



一番良くないやり方は、舌苔を取ろうとして、舌を傷つけることです。

歯ブラシや、舌苔除去用のブラシや、ガーゼ等で、ごしごしと擦り(こすり)取るようなやり方、つまり、物理的な方法で、舌苔を除去する時に、舌を傷つける危険が大きくなります。

また、発泡剤入りの歯磨き粉や、合成界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)やアルコールが入った、口腔洗浄剤(マウスウォッシュ)等を、過度に使うことも、舌の粘膜を傷めることになります。


舌を傷つけるとどうなるの?


舌の粘膜や、舌乳頭(ぜつにゅうとう)を傷つけると、味覚を感知する機能=味蕾(みらい)が悪くなります。
★味蕾(みらい)とは、食べ物の味を感じる小さな器官です。人間の舌には約10,000個の味蕾があります。

舌をごしごしと、過剰に刺激する事で、舌の表面にある舌乳頭が長くなったり、損傷を受けたりして、より細菌が繁殖しやすい環境になる為、舌癌等の病気になる可能性も有ります。

舌は口の中で一番潤いを必要とする粘膜です。
舌苔を必要以上に取り除くと、、余計にだ液の分泌を減らしてしまうことになります。


正常な舌乳頭の顕微鏡写真・拡大画像
正常な舌乳頭の顕微鏡写真
損傷した舌乳頭の顕微鏡写真・拡大画像
損傷した舌乳頭の顕微鏡写真


舌苔の理想的な取り方

  1. 唾液(だえき)を使って舌苔を取る
  2. プロテアーゼを使って舌苔を取る

唾液(だえき)を使って舌苔を取る


食事時以外の唾液(だえき)は、サラサラしています。
自然なだ液を、出しながら、舌を上顎(あご)にこすりつけて洗うことが大切です。
だ液が足りないなら、水を使ってください。
使うのは、水です。
お茶やコーヒーや、ジュースはだめです。
水です。

こうして、口の中の自浄力を養うようにすれば、口臭も徐々に減っていきます。

だ液と舌苔の関係

プロテアーゼを使って舌苔を取る


高齢者になるほど、唾液の分泌力は低下し、口腔内の自浄作用は衰え、乾燥し、舌に付いた苔は驚くほどの量や厚みになることがあります。

こうなると、自分の力で適度な量の舌苔にすることは、不可能です。
舌苔を形成している蛋白質(たんぱくしつ)を分解し、はがれやすくしてくれるプロテアーゼが、もっともふさわしいのです。

プロテアーゼとは
プロテアーゼを使った高齢者の舌苔除去と口腔ケア