ブロメライン(Bromelain)
ブロメラインはパイナップルの根から抽出される、植物性たんぱく質分解酵素です。
一般的に、医薬品や食品添加物やサプリメントに利用されています。
パパイン(パパイアのプロテアーゼ)やアクチニジン(キウイフルーツのプロテアーゼ)と同じ、システインプロテアーゼの仲間です。
経口摂取の際の、抗炎症作用があり、サイトカインや免疫の調節作用もあると報告されています。
蛋白(たんぱく)分解酵素であるブロメラインは、炎症巣ないし、その周囲に蓄積した壊死組織、変性蛋白、ポリペプチド等を分解して、炎症巣の微小循環を正常化し、抗炎症作用をえらる為、色々な医学的処置に使われています。
ウサギに実験的に作成した第3度火傷面に、ブロメライン軟膏5万単位/gを塗布した結果、良好な痂皮除去効果が認められています。
ウサギ及びブタの実験的火傷に、ブロメラインの粉末をペースト状にして用いたところ、局所に損傷を与えることなく、壊死組織を除去でき、また全身的な障害も認められませんでした。
医療とブロメライン
1. 外科・整形外科でのブロメラインの使用
骨折、捻挫、脱臼、打撲等の外傷並びに術後の炎症症状の緩解に用いられる。
2. 内科・呼吸器科でのブロメラインの使用
慢性気管支炎、気管支喘息に起こる喀痰喀出困難な場合に、喀痰の粘稠度を低下させて、喀痰の排出を容易にする。
3. 産婦人科でのブロメラインの使用
分娩時の会陰側切開、会陰裂傷及び産婦人科領域における、術後の炎症症状の改善に用いられる。
4. 耳鼻科でのブロメラインの使用
扁桃摘出や声帯ポリープ等、術後の炎症症状を改善する目的に使用される。
5. 肛門科でのブロメラインの使用
肛門疾患の術後の炎症症状の緩解に用いられる。
6. 泌尿器科でのブロメラインの使用
副睾丸炎や包茎手術、膀胱腫瘍の術後等、外陰部の手術に伴う局所の腫脹を改善する目的で使用される。
7. 口腔外科・歯科でのブロメラインの使用
口腔の外傷、術後及び智歯周囲炎等の炎症症状を改善する目的で使用される。
8. 眼科でのブロメラインの使用
白内障や角膜潰瘍等の手術後の炎症症状を改善する目的で使用される。