プロテアーゼを使った高齢者の舌苔除去と口腔ケア

舌苔と要介護の高齢者


舌苔(ぜったい)は、口腔内の脱落上皮細胞や連鎖球菌、ブドウ球菌、白血球、食べカス等の、たんぱく質を含む成分から出来ています。

介護が必要な高齢者の場合、どうしても口腔ケアがおろそかになり、結果として、多量の舌苔が出来たり、あるいは、口腔内の乾燥により、舌に強固に付着した舌苔が出来たりが多く見られます。

歯磨き、舌磨き等の、機械的清掃のみでの除去は、なかなか困難です。

特養や有料老人ホーム等の、高齢者介護施設での舌苔の除去は、健康やにおい環境を整えることに加え、細菌リザーバーとしての誤嚥性肺炎リスクの低下にも大きく影響します。

プロテアーゼによる舌苔の除去


千葉徳洲会病院での、プロテアーゼによる舌苔の除去取り組みを、紹介します。

高橋看護師は、担当する病棟の入院患者の中で、食べ物や飲み物を口から摂取できない方20人を対象に、プロテアーゼ含有粉末(ミント味)を使用した口腔ケアを試みました。

まず、対象の入院患者20人を、
水だけを使った口腔ケアと、プロテアーゼ含有粉末を使用した口腔ケアのグループに分けました。
口腔ケアの方法は、介護用スポンジ歯ブラシで5分を限度に7日間口の中を掃除します。

プロテアーゼ含有粉末はジェル状にして口腔内に塗布、30分経過してから、ぬぐい取りました。

両グループの、舌苔(ぜったい)の除去具合、口腔内細菌数を測定し効果を評価したところ、いずれもプロテアーゼ含有粉末使用群のほうが効果が高くなりました。

口腔ケアの時間も水使用群より40秒短くて済みました。

高橋看護師は、「痰(たん)や舌苔は、タンパク質を多く含むため、タンパク質分解酵素のプロテアーゼを使用することで、除去の効果が得られたと思います」と説明。

口臭の減少や口腔内の保湿効果、ミントの香りによるリラックス効果などを認め、患者さんのQOL(生活の質)向上につながったことも強調しました。

最後に「口腔ケアの時間も短縮し、効率的・効果的な口腔ケアを実施できるようになりました」と報告されました。