ドライマウス=口腔乾燥症とは
ドライマウスとは、唾液(だえき)の分泌が減少して、慢性的に口の中が乾いた状態になることです。
正式には、 「口腔乾燥症:こうくうかんせんしょう」 と呼ばれています。
ドライマウスが慢性化すると、
舌の表面がひび割れたり、舌や口の中の粘膜が傷ついて、痛みが止まらなくなったり、発音しにくい、喋りづらい、食べものが飲み込みにくい、味が感じにくいなどのさまざまな支障が生じます。
ドライマウスが及ぼす影響
唾液(だえき)には、抗菌作用や自浄作用など口の健康を守る働きがあるので、不足すると
- むし歯や歯周病や口内炎にかかりやすくなる
- 汚れが舌に付着する舌苔 (ぜったい)が増える
- 口臭が増える
- 味覚障害を起こす
等、健康に大きな影響を及ぼすことにつながります。
ドライマウスの自覚症状
・口の中が乾く
・口の中がねばつく
・唾液が出にくい
・水をよく飲む
・発音しにくい・話しにくい
・水分の少ない食べ物が食べにくい
・美味しく感じない
・舌が痛い
・口臭が気になる
・寝ていると口がからからになる
・入れ歯が合わなくなる
・入れ歯で口の中が傷つきやすい
・虫歯や歯周病になったり、悪化する
ドライマウスのおもな原因
- 更年期
- 加齢
- ストレス
- 生活習慣
- 病気
- 治療の影響
- 薬の副作用
- シェーグレン症候群
更年期によるドライマウス
女性に多くみられる、ドライマウスです。
更年期特有の自律神経の乱れから、だ液の分泌量が急速に減ります。
ドライマウスは、50代以降の更年期の女性に、圧倒的に多くみられます。
加齢によるドライマウス
年を取ると、身体機能が衰え、唾液(だ液)の分泌機能も低下します。
口の周りの筋肉や歯もおとろえ、咀嚼力(そしゃくりょく=食べ物をかむ力)や、咀嚼回数が減ることで、だ液の分泌量が減ります。
口で呼吸をしたり、軟らかい物ばかりを食べることで、あご周辺の筋力が低下することもあります。
ストレスによるドライマウス
ストレスや緊張が大きいと、自律神経の交感神経が強く働き、だ液の分泌が抑制されます。
20代・30代・40代の、働く女性のドライマウスは、ストレスがひとつの要因と考えられます。
生活習慣によるドライマウス
不規則な生活、噛まない食生活により、だ液の分泌が低下します。
飲酒や喫煙によっても唾液分泌が減少します。
病気によるドライマウス
糖尿病や甲状腺などの代謝障害…糖尿病や甲状腺などの病気が原因で、代謝障害が起こり、口腔内が乾燥します。
治療の影響によるドライマウス
例えば、がんの放射線治療で、だ液を分泌する組織が破壊されることもあります。
薬の副作用によるドライマウス
口が乾く副作用を生じる風邪薬や抗ヒスタミン剤、血圧降下剤、糖尿病・腎臓病などの治療薬、抗うつ剤、精神安定剤、睡眠薬、降圧剤などには、だ液の分泌量を減少させるものも多くあります。
シェーグレン症候群によるドライマウス
シェーグレン症候群のような、自己免疫疾患になると、涙やだ液の分泌量が極端に減少します。